Zopfcode Essay

140文字で収まらない走り書きの置き場

プライドってなんだ

小さい頃、母親に「あんたはプライドが強すぎる」と言われたことが何度もある。周囲に煽られてはムキになり、それを面白がられていじめられ、都度親にそうやって諭されていた。小学4年生くらいまでそういう時期を経て、その後彼らとは仲良くなった。今となっては昔の思い出だ。*1

ところで、冒頭で親が言った「プライドが強すぎる」という表現は、言葉の使い方が間違っているのではないかと思えて仕方がなかった。言い換えることで私のイメージを伝えようとするならば、「プライド」は「矜持」ひいては「何らかの裏付けを伴う自信や誇らしい気持ち」と解釈している。冒頭のかつての私のような状態は「煽り耐性が低い」という表現の方がしっくりくる。

ちなみに先に答えを言うと、この私の解釈は英英辞書で一番目に出てくる意味で、日本語でいうプライドは三番目にあたる。

一番目の意味

Oxford Dictionary 曰く、 "pride" の一番目の意味は

a feeling of being pleased or satisfied that you get when you or people who are connected with you have done something well or own something that other people admire

(正確さに保証のない手動翻訳: あなたやあなたと関係のある人々が、世間から称賛されるようなことを為して、喜ばしく満ち足りたように思う気持ち)

だそうだ。英語の授業で学ぶ "be proud of" は「誇らしく思う」であり、意味として沿っていることがわかる。

冒頭で私が怒っていた要因として、必ずしも「自分が誇らしいと思っていることをバカにされたから」はゼロではないにしても、少なくとも記憶にはない。髪型がどうこうとか、「やーいやーい」とか、取るに足らないものばかりだ。

二番目の意味

二番目の定義は以下のように表現されている。

the feeling of respect that you have for yourself

(手動翻訳: 自分自身を尊ぶ気持ち)

要は自尊心と等価といえる。面白い例文として

Pride would not allow him to accept the money.

(手動翻訳: 彼の pride により彼はお金を受け取ろうとしなかった)

というのもある。日本語でいうなら「彼の主義に反するため、彼はお金を受け取らなかった」といったところだろう。

しかしやはり、冒頭の「プライド」に相当する意味ではないようだ。

三番目の意味

結局の所、日本語でいう「プライド」(悪い意味で自尊心が高い)は "pride" の三番目の意味が該当するようだ。

(disapproving) the feeling that you are better or more important than other people

(手動翻訳: (非難の意)あなたがあなた以外の人間より秀でている、あるいは重要であると思うこと)

悪い自尊心を揶揄する意味での "pride" 。ようやくそれっぽい定義が出てきた。

まとめ

調べてみた限りでは、日頃聞く「プライド」と私の思う "pride" は解釈が異なっていたが、原義としては両方の意味を併せ持つことがわかった。

今日聞く英語での "pride" は、ただの個人的視点でいうと、いい意味での誇らしさについて言及するケースの方が多いように感じる。これを日本語で表現するなら「自信」とか「矜持」とかになるのだと思う。"pride" で全部表現できる方が嬉しいか、細かいニュアンスで単語が分かれている方が嬉しいか。どっちが良いかと言われると悩むものの、正確に言い表すことができる熟語や単語があるのなら、変に横文字を使わずそっちを積極的に使っていきたいところだ。

*1:悲しいことにこの性格は現存している。成人するとそもそも「煽られる」ことがほぼないし、理性により相当制御できるようにはなった。しかし舌戦で負けそうになったときや他人より劣っている心地が生じた時に、どう頑張ってもちょっとイラッと来てしまうことがある。正直自分自身でもめんどくさい性格だなぁと思っている。