サブカル感こってりなワードである「わからせ」は、高圧的あるいはナメた態度を取るキャラクターをアーン♥することを指す。
「わからせ」のイラストがつらつらと pixiv の新着にやってくる中で、面白い現象に気がついた。
この単語を形式的に説明するなら「"わかる" の使役形を名詞化したもの」だろう。加えて、「わかる」の語幹は「わか」で、五段活用となる。国語は専門ではないので細かくは間違っているかもしれない。
面白いのは、これの受動態だ。本来、「わからせる」の受動態は「わからされる」になる。ところが、pixiv を含むネットのあちこちで「わからせられる」という表記を目にするのだ。
「わからせ」という動詞が「わかる(わからせる)」の活用という範囲を超えて、固有の動詞のように認識されている…想像に難くない話だ。
ちなみに、仮に「わからせる」を動詞の原形としてむりやり形態素解析すると、感覚としては「わからせ」が語幹で、下一段活用となりそうだ。受動態はもちろん「わからせられる」になる。確認としては、語幹の末尾が「せ」で下一段活用である「見せる」の活用とも一致するので、多分だいたい間違ってない(前提が色々おかしいのは置いておくとして)。
英語の不規則動詞に "-ed" を間違えて付けてもなんとなく伝わるのと似たように、「わからせられる」と突然言われても、意味はなんとなくわかってしまう。しかも、そういう単語がありそうに思えるところに日本語の懐の広さを感じる。日本語は変化の激しい言語であるとどこかで聞いたが、その片鱗を垣間見たような気がした。